20日夜間航路勝手に想像する

全走行距離1385キロ
後半は戻る日にちが決められた為に走り過ぎた
もっとゆっくり旅をしたいが田舎に住んでると階段など上がる事はなく
公共交通を使うには足腰が弱ってしまっている。
旅で一番の贅沢は歩く事で次が何処でも止まれる自転車など二輪車で
車が良いのは車中泊が出来る事くらい


暴露甲板を飛び越えて窓に飛沫が掛かるほどで先が思いやられる。

蛇を轢いた祟りか19日夜からの雨と風の大荒れで船酔いをする
それは見た目や他人の話より自分の五感のうち4感をフルに使い
必ず自分で納得がいくまで確認してから分解や仕事にはいるので誰が言ったかわからん事は信じない
ひとの噂や何国人などと一纏めにもしないのも修理業だからだと思う
それが船ではエンジン音やプロペラ音や振動やローリングに五感が敏感になって薬を飲んでも船酔いにもなるってもんなのだ。
欠航してくれたら遅くなる理由も出来るし新潟に一日居れるのでアチコチ食い歩きでもと
思ったが出航してしまったのだ。

船酔いは遠くを見るに限るので左舷通路の椅子に腰かけ外を見てるのだが
その通路には結構な人がいる
毎日が石を投げたら海に届く場所で生活してるので、海を見てもなんの感慨もないが
暇なのでこのひとは何を生業にしてるのか、何しに北海道に行くのかと勝手に想像する
この時期には北海道のスキー場で働く若者や北海道に戻る者などが乗り合わせる
俺のように雪駄に半袖は北海道に戻る人とトラックドライバーで
がっちり着込んでいる人達はこれから北海道に行く旅行者

通路にある椅子に座っていると3席ほど前に町内か何処かのサークルでも知り合ったのか
夫に先立たれたと思われる肉食系のおばさんと
前職はそこそこの地位で妻に先立たれたと思われる白髪でアイビールックを思い出させる
VANジャケット風の襟を立てた男性との古希らしいカップルが聞こえる声で話をしていた。
「私の年金は充分だけど冠婚葬祭がね~」と言っていたので夫婦ではない事はハッキリしている

やがて左舷に平甲板型船の明かりが見えると肉食系お姉さまが
「あれはロシア船でないの攻撃してこない」かと
アイビー男は船型が違うと言葉少なに返答していた。
ロシア船は貨物船でも三島型が多く平甲板型は少ない
それを知ってると言う事はそれなりの戦闘系業界人と思った。
「北海道に行ったら美味しい物を一杯食べようね」と言うが何処か上の空の様だった。
勝手に想像するには昭和の男は大方は先妻に未練タラタラで情も残している。
女は先立たれたら10歳は若くなるのとは違う
野郎の死に別れには後妻に行ったらいかんと昔の人は言ったし
熟年離婚はほぼ女側が言い出し野郎は渋々応じるのが多いらしい
そう言う事からアイビー野郎が夜の海に見ようとしたものは肉食系お姉さまとは全然違っていたのだろうと思う。
船旅は面白いのである。

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