続等価交換

31日に初めて見た時は小さなほんと小さかった子が交際相手を連れて来た。
関わりのあった人達十数人がアチコチの地方から集まってワイワイガヤガヤと楽しい一日を過ごした。
不思議な事にこの子は俺の事を留萌のオジサンと呼ぶ 終着駅の増毛に来て暫く立ってから知り合ったのに聞いてみたいような 何か聞けないようで訳を聞いた事はない
この子が最後でもう誰とも知り合う事は無いだろうと思う。

4日に少しだけ仕事をしたら予定表が空になってしばらく休みが続くが
何もしたい事がない 
毎年何がなんでも見に行っていたフクベ漁を見に行きたいと強く思う事もない
今年カレイが全滅して川も沼もたいした行ってみたいと思わなくなった。
国領も近い場所なので時間の合間に自分なりに徹底して調べた。
好物の花咲カニも31日に皆で15~16匹ほど食ってカキもウニもガッパリ食った。
もう何も食いたい物もやりたい事も行きたい処も無くなって
燃え尽き症候群で少し危ない状況なので深酒は止めようと思う。

「 恩人の消息 」を読み切った
 樺太からの引揚げ時に命を助けられた人との別れを読む
したたかに生きて戻る女の物語だと思った。
嫁さんに逃げられた後に愛犬トムと一緒に過ごした日々を思いだしたのか
読み終わった晩に18年飼った愛犬の夢を見た名はトム、姓はアイシェパカケン
アイヌ犬とシェパードとカラフト犬の雑種の大きな犬で綱を切って走って行って車に跳ねられた。
墓はいつも散歩に行った浜中海岸の丘に側溝トラフの蓋で作ったが
数年後に風車が立ち墓は無くなっていた。
逃げられた嫁さんはその後に銭のやたら掛かる小型犬にトムと名前を付て飼った。

戦争はどんな事あっても不思議ではないだろう 相手国には非道な事が有ったと攻めるなら
それは人間同士で自分の側にも同じ事が有ったと思うのは普通の事だと思う。
その検証は後世の為に苦しくともしっかりやっておく必要があったと思うが
口を拭った事が現在の世界の状況を生み出していると言っても過言ではないと思うが
それは生きて次世代に繋ぐ生身の人間の生きる為の本能なのかも知れないとこの本を読んで思った。 


今年も厳しく危険な冬の海に魚を獲りに数十マイル沖まで出てゆく桁漁が9月16日から始まる。
人生も魚もぜひ等価交換であって欲しいと思う。
等価交換は商人(あきんど)の生き様であり矜持ではないのか
それにして何も食いたい物がない なんとかせんと

One thought on “続等価交換

  1. 「D級地帯」「恩人の消息」丸山靖生さんの書いた作品大好きです。
    稲田線を通るたびにいつもこの作品のことを思い出して複雑な思いになります。私も手紙を書いて出そうと何度も思ったことがありますが貴方からの手紙で10年若返ったと言われたとありましたので安心しました。いつまでも元気で執筆活動を続けて欲しいと思っています。

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