醤油ラーメンは鶏ガラと豚骨からホタテラーメンは昆布とシイタケなどから木曜日から仕込みが始まり追加は出来ないので予定数量が売れたら店は終了になる。
土日ラーメン屋は7日土曜は土砂降りの雨だったがそこそこお客さんが入った。
8日日曜日は数人のかたまりでお客さんが入って
いつもと違う入り方でなんだべと思ったら小学校の運動会で地元の人が家族連れで何組か入ってくれた。
ここは地方のお客さんが多いが俺にはどんなお店も地元の人が8割入る店が理想だと思っていて
それは観光客が入る店もそうで地元にソッポを向かれる店はやがて衰退するだろうと思う
いっ時の繁栄に浮かれてやがて巨大な負の遺産を残していった温泉地は多くあるが
地元向けの温泉は続いている。
孫の運動会に来たと思われる まだ若いおばちゃんが小銭入れから小さく折り畳んだ渋沢栄一を取出し醬油ラーメンとホタテラーメンと6人分の会計をしたが
普段から財布を必要としない経済状況であると思われる
その中から払った銭には孫たちと逢えた嬉しさがこもっている
俺は手が不器用でラーメンは2杯づつしか作れないので時間が掛かるがゆっくりと海を見ながら孫達との会話の手助けを出来たのではないかと
ラーメンの価格を考える時に最低賃金を超えるラーメンはラーメンでないと思っている
それでなければ4人家族なら父ちゃんが半日働いて家族がラーメン一杯づつしか食えない事になる。
銭が余るほど持ってるならわざわざラーメンを食わないでも寿司でも焼肉でも食えばいいのだ
ラーメンとはそう言う食べ物なのだ
このシワになった札を見て改めて心に刻んだ。
思いつく事が多いのか、やりたい事が多いのか、欲たかりなのか
整理整頓が出来ないので掃除整理整頓は月曜日にアルバイトさんに丸投げしているが
ラーメンを作る時に設備に銭を掛ける事はそれだけ価格に影響を与える事になるので食材と厨房設備以外はこの壊れそうな家でこれからも続けていこうと思う。