アルコール類解禁

土曜日午前10時頃 ラーメン屋の準備中に問題の吞兵衛が旧産炭地からリョウちゃん~と満面笑顔で来た先週の事を覚えていないのだ。

土日のみの営業だがラーメン屋の仕込みは木曜日夜に寸胴にシイタケと根昆布を入れて金曜日はさらに鶏ガラと豚骨を水1リッターに対して1羽と1本を入れ9時間煮込み一日掛けて造る
美味そうな香りがするのは火を付けて1時間くらいなのだが、その時点でラーメンを作っても美味くない7時間くらいでいいのだが他にも仕事があり時間配分で9時間になってしまう。
水と材料比率は最初は3対1だったが1対1になって採算割れに向かっているが好きでやってるので面白いのだ。

常連吞兵衛コンビは毎度の呑み方はここの店だけでの事なのか分からないが
酒はすべて撤去を知らせると項垂れて自分の別荘小屋に向かった。
いつもなら11時開店と同時に来て夕方まで居座るのだが開店しても来ない
午後2時頃に二人で来て何処が悪かったのか教えて呉れと言って来た
説明と説教大好き男なので二人にラーメンを作りながら延々と説教をすると
「 言ってくれてありがとう 」と言って帰っていった。
俺は項垂れて戻る背中に向かって店が閉まる4時に来いと言ってしまった。
4時までの間にビールサーバーを元に戻し日本酒を一本用意して待った


俺は前の店でだいぶ前に知り合ったNちゃんにコーヒーと越後湯沢の酒を貰った
「 酒ばっかり呑んでネーでーこれでも飲め 」
と言って年に一回程度しか逢わないが少ない給金でコーヒーと酒を持って来て呉れる。
Nちゃんはいままで自分ではどうしようもない不運に遭って来たがこれからも何度でも跳ね返して生きていってほしいと願わずにはいられない
すっかり大人になったなとしみじみと手酌で呑んだ。


旧産炭地は土日二日に渡ってタラフク呑んで二人で帰っていった。
そんな訳でアルコール類禁止はたった4時間で解除になってしまった。

先週は人が訪ねて来てくれ ある人の訃報を数か月遅れて知った。
もうこの歳になると寂しいが悲しくもなんともない
フォーを貰って食ったなとか、あの時はこうだったとか楽しかった事ばかりを思い出していた。
俺も楽しかったと思って貰えるそんな人生を送りたいと思った。

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