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目に入る一枚の現象を文字で表す事は難しいので記録として撮る事が多く出来栄えはそれほど気にしていない それなので俺の場合は他人の写真を見る時もそこに芸術と思う事はない
もっとも芸術をまったく理解が出来ない事が一番の理由だが
よく本棚を見るとその人なりがわかると言う 
写真にも同じ事が言えると思うのだがその人が見ようとしたものを間にカメラを置いて撮った人に変わって見てるだけだと思うのだが 

雪山で夕陽を見る事はかなり恐ろしく 思いだしてしまって眠れない
冬山で日付が変わり指先が凍っていき こうしてじわじわとジエンドになってゆくのだなと思い始めた時に助けられた。
山から下りて
「 りょうちゃん腹減っていないか 家に寄ってカレー食っていけ 」
とリンゴ屋の賢蔵さんに言われ夜明け前に家でカレーを食った。
そこには戻って来るのが当たり前だと言うように娘さんと奥さんが温めていてくれたカレーがあった。

あれから永い時間がたって今はリンゴの里増毛に住んでいる 
もう賢蔵さんより長生きはしたが あの時のカレー食わせてくれた賢蔵さんを超える男になったのだろうか 
黙ってカレーを食えと差し出せるほどの男になったのだろうか

味は忘れたが皿に盛ったカレーは一枚の写真より鮮明に思い出す。

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