エンジンオイルは安い物でも頻繁に交換すれば問題ないと言うのは間違え
オイルの一番の役目は金属と金属が直接触れる事のない様にするのが役目で
鶏手羽先唐揚げを食った皿を手で拭いただけでは油を落とす事は出来ない
それは表面に油膜が張る為で指でなぞっても皿を直接触っていないからで
オイルは温度が上がると柔らかくなり油膜が切れて金属同士が直接触れてしまうので様々な添加剤等で油膜切れを防いでいるのが価格の差になっている。
オイル交換をしたオイルをゆっくり掻き混ぜると筋の様なものが出る時は金属が直接触れて相手側を削っている金属粉がオイルに出てるのだ。
そうなってから幾ら良いオイルを入れてもジエンドなのだ。
船と車の違いは惰性がない事で常に水を押し続けていて これは常に空気を搔き分けている飛行機も同じで
エンジンには常に負担を掛け続けている。
車の場合はタイヤが回転する事によって惰性で回り続けて勢いが加速されていく
その為に発進時に使ったローギヤは惰性と共にシフトアップが出来るのだが
船も飛行機もギヤは前進一速しかなく常に負荷が掛かる為にシフトアップは出来ない
さらに船外機の場合は速度制限の無い広い海原を毎分6000回転で何時間も走り続ける。
これが車なら街中を6000回転で30分も走ったら
天国かどうかわからんがこの世にはいない
船は過酷な状況で使われ続けているのでオイルはいい物を早めに交換する事が重要になっていく
オイルが悪いとスムーズに回転をしなくなりオーバーヒートの原因になり
このオーバーヒートで何が問題になるかと言うと熱によってシリンダーヘッドの歪みを招く
通常は歪み交換目安は0.05~0.08ミリで
歪みが起きると吸入行程で海水の冷却水がシリンダーに入ってゆき膨張行程では
今度は逆に排気がウォータージャケットに入り冷却水を押し出してしまう。
これを繰り返す事によって内部は塩漬けカーボンが出来上がって塩が空気中の水分を呼ぶ事によって
こんな事が起きてしまう。
左が4番シリンダーでガスケットが漏れている事がわかる。
結果は部品代だけでエンジンの6~8割になってしまい直す価値はない
ちなみに部品を一個づつ買ってエンジンやバイクを一台組むとおよそ新品価格の2~3倍ほど掛かる。
昔し紅顔の美少年だった頃にバイクが欲しくてたまらん時にパーツリストで全部品の価格を積算した事があったがその時は新車価格の約2倍になった。
何度も水没エンジンを整備したが塩水に水没させた場合は脱塩は難しく通常のやり方ではほぼ出来ない
それは鉄であってもアルミであっても原子構造にナトリウム原子と塩素原子の入る隙間がある為で
水没したエンジンはバラさずにエンジンを始動させて最初は毎日エンジンオイル交換をしてそのまま壊れるまで使い切る方が得策になっていて
処置の仕方では10年以上使う事も出来る場合もある。
ただしその使い方をするのは仲間がすぐ傍に居る港内作業船のエンジンで一人単独で気ままに何処にでも行って釣りをする船はエンジンが塩水に水没した場合は捨てて買え替えるしか手段はないと断言出来る
天国に行って戻って来れるのは帰って来たヨッパライだけなのだ。
整備では対象者が使い方や使用してるオイルなどの質問に対してどこまで本当の事を言って呉れるかに掛かっている。