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綱取作業船にエンジン取付完了
この船は港湾工事の最も基礎となる土台を作る会社の潜水作業に使われる。
大きな何千トンもあるケーソンを揺れる起重機船のクレーンで吊上げて基礎に添え付ける
絶えず揺れてる船のクレーンで隙間なくピッタリと置くのは見えない海底を想像し感覚で操作すると言う
海中から聞こえるダイバーのスライ、スライの声の調子を聞きステックを動かす。
指が何十分の一ミリ間違えるだけで下では大きな動きとなって下にいる何人ものダイバーの命はない
クレーンは止める位置をはるか前に予測しその位置にピッタリと止めなければならない
止まらないからと言って急に止めると振れとなって余計に振れ、振れには振れた方向に進めるしか手はないので被害が大きくなる。
足の遅い起重機船は時化になっても簡単には逃げる事は出来ないのだ。

そこで働く男たちは皆一様に薬指に指輪を嵌めている。
万が一何かあった時は波が一枚づつ着てる物をはぎ取り残る物は
愛する者のイニシャルを入れた指輪だけと知っている。
何があってもどんな姿になっても愛する者の元に戻るのだという強い意志を示してる。
そんな危険な作業をする会社のもの達はたとえ出入り業者だろうが若輩だろうが
相手に対してなめた口を利く者やデカい態度を取る者は一人もいない
命の重み一瞬一瞬の普通の輝きを知っている、
そんな男たちを真近で見せて貰い続けた五十嵐億太郎翁が私財を投げ打って作った留萌港を誇りに思う。

仕事が男を作り男を育てる。
港湾工事の会社の作業船に関わって数十年ここにはここの生き方があり
旗振りさんには旗振りさんの矜持があり
ラーメン屋にはラーメン屋の矜持があり。
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自分の手を汚し働いて来た者に食って貰いたいと思う。

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