逃げられた嫁さんの親 元義理の親は鉄道員だった。
真面目を絵に描いたような人でクソ寒い朝も夜中も石炭などの貨物を運び続けた。
南岸には船待ちの石炭が山ほど野積されていて国鉄職員が自家用にヨッコして持ち帰る日常でも
決して良しとはせずに買った人
戦争にも行った。
何一つ面白い事を言うわけでもなく原付バイクに乗り淡々と日常を過ごす人で
小津安二郎の映画にぴったりな人
嫁さんに逃げられた15周年記念に北海道国鉄列車のビデオを送ったが見てくれたのだろうか
支線相生駅前商店街
どんな知らない地方でも一言で言える場所は
「 もし~もし~そこ行く~御嬢さん~駅前~どこだべ~ 」
でほとんどは行けるし線路を横切らなければいい
その駅前は鉄路で商圏を分断される為に商店街は育たないが対策は幾らでもある
ようは町の人の気持ちの問題が多いと思う。
年寄のやってる店は手渡される品物に夜道に灯りを点け続けると言う店主の気持ちと
店主の年金が乗っかっている事を忘れてはいけない
いまでも東日本大震災の後に見た掘っ立て小屋の店に灯りを点ける店主の心意気を思うとグッとくる。
他にも公営病院や役所のある処はなぜか商店は育たない
相生を過ぎたあたりから猛烈な霧に逢い道を間違えてしまい中々弟子屈に着かない
どのみち車の中で寝るので、現在地はどこでも構わないのだが車であっても熊の出る処は勘弁して欲しいと明るい駐車帯を探すがなかなか無く摩周道の駅に行くが駐車場が満杯なのと呑み屋がそばに無いので
やめて他の場所を探す事にした。
夜9時に標茶駅に着く
明日の待ち合わせなので駅前を歩くと千里と言う焼肉屋発見
一杯呑むかと中に入ると先客に土方が着るジーベック作業服の宣伝に出て来る。
なんと言ったか思い出せないがレスラーそっくりのヒゲ親父が熊にでも食わせるのかと言うほどの量の焼肉を食ってる。
俺は隣に座り何気なく話を掛けると待ってましたと馬鹿笑いと話が止まらん
なんでも農家相手の土建業らしく昨年は雪が多く大変だった事や標茶の人間に悪い奴はいないと言う話だった。
駅前の駐車場で車を停めて朝まで寝るが場所はいいかと聞くと
ジーベック親父いわく
「 文句言われたら噛みついてやれ 」との事だったのだが
噛みつくにも色々あるが、どうも本当に歯で噛みつくのではないかと思った。
千里の焼肉は美味い
この駅の雰囲気はどこかで見た気がしてならない