最後の最後まで 

俺は注射以外で何が嫌いと言って「 最後 」と言う言葉が大嫌い
毎日毎日朝から晩まで
「 最後の最後まで宜しくお願いします。」
とクソ狭い町を連呼し続けるのが
やっと終わって静かになった。
ナンチャラ党の広報車などは
「 ナンチャラ党を ナンチャラ党を Tを Tを 宜しく 宜しく お願いします お願いします 」 
と男女二人でハモらせながら全道を回るのか猛スピードで走っていった。

最後までとは一体なんだんだろう。
多少大目にクタバッた人を見たがクタバッタからと言って最後ではない
残された家族は大変な目にあい楽になったのはクタバッタ本人だけと言うのは沢山ある。
実の親は客死したが借金があり全部清算するまでに3年掛かった。
賃貸部屋で孤独死した実の兄貴も整理するにもそこそこの銭が掛かった。
俺などはまだいい方で追い込みを掛けられて夜逃げをした一家もいる。
借金取りでもあるまいし
「 最後の最後まで 」
他に言う事ないのかとこれを聞くと嫌な事を次々と思い出す。
大体相手に要求するなら自分でも
「 最後の最後まで 」覚悟あるのか~などと思ってしまう。

ここには年に一回雪解けと同時に現れ すぐに草が生えて見えなくなる残影があり
いつか坊主を呼んで整理しようと思いながら出来ずにいる。
色々な人の生死を見たが
後から振り返ると何か導かれるようにド壺にハマるようにして行く
あの時もう少しずれていたら 一月前の決断通りやっていたらと思う事が多い
たった数秒の差が生死に繋がった事もある。
最後の最後なんか誰にもわからん今を生きるしかない

町議選は
「 もう晩飯だ~帰れ 」
と言ったら
「 早く帰るとおっかがもう一回りして来いと言うのょ 」
と言った候補者に一票入れた。
平和が一番、晩飯を一家で食えるくらい幸せな事はない

握手は無用な喧嘩をしない為にある。
手を握った時点でコイツに勝てるかどうかすぐわかる。

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