魚とってなんぼ

半分諦めていた事がビックリこいた。
どこの港の事とは言えんが

三人息子がいたとしたら 一番出来のいいのは漁師のオヤジがムリクリ町の役場に押込んで
次に出来のいいのは町の団体職員にオヤジのドヤ顔で押込んで
勉強なんか一切したくないしやる気は全くなし識字能力ゼロは
オヤジと一緒に海に出て腕一本で魚を獲るのが漁師の出世コース

崖淵に立ったグランドも無い学校で校門から数歩で海に直結の今は無い歩古丹集落で育った子が港町に一家で出て来た。
そんな子がいずれは船舶免許を取らんならん事に気付き一念発起
漢字が二つも並んだ読めない字すべてに振り仮名を付けて問題集が真っ黒と言っていい状態で挑戦した。

これが車の免許なら問題はあると思うので止めておけと思うが
船は一旦海に出たらどこにも標識はないし字などどこにも書いていない
船のブリッジは日本語より英語表記が多いし海の上では漢字が読めようが読めまいが、そんな事は一切関係ない
船舶免許は漢字テストではない
お上が勝手に最近作った法律なのだ。ようは捕まるかどうかだけの問題
漁師は魚をどれだけ獲って来るかで海の男の甲斐性が決まる。
何月何日にはどこで何を獲ったと書いた日記を見て
見えない海底の地形を想像し網を張る。
逃げ場のない狭い船内を長期間集団で暮らす為には何が必要かをよく知ってるし
狭い船内を有効利用する為に整理整頓が上手な漁師が多い

試験がある度に挑戦する事8回で
船の免許に合格し晴れて親子船になった事を知らせる電話が来た。
字が読めなくても八分と言われようがなんと言われようがその努力は金賞ものなのだ。
その後に「 お礼は顔見てするものだ 」
とハマ育ちの薫ちゃんに言われたと言って顔を見せに来た。
そうやって浜で生きるすべとスジを教えられる。

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