夏の仕事が終わった。
天候を見ながらの船の上架は終わってこれから冬の準備に入る。
この暑寒岳に雪が降り始める時に また来年もと言って別れる人や遠くから永の別れの挨拶に来たりとこの時期はほんと嫌いだ。 船の関係者は雪予報を合図に一斉に引き上げるのは分かるが 何年も逢わない奴が逢いに来るのは『北海道は雪が降るからその前に 』とか言って秋に集中する。
俺は晩秋が嫌い大嫌いなんだよまったく そんな時にタイムスリップしたような永の別れの挨拶に来るな!バカ野郎
『 アニキ 生きてるうちは逢えないと思う 』
と言って遠州に戻る 酔っ払いの言葉が耳に残る。
クソ寒かった伊吹おろしが吹く中をコイツを連れて
その日その日を必死に生きた時を思い出した。
どうしてこいつは何時もいつもブタ引くのかと
早くに自分の器量に気付くべきだったと、
今頃言ってもせんない事なのだと言葉をのんだ。
内地の今頃は暖かく過ごしやすいだろうと思うので ふっと内地に移住するならどこがいいかと考えた。 一番は瀬戸内の島あたり二番は那智勝浦がいいなと思い始め
下見に行きたいと思い始めてる。
手に職を持ってる職人は手工具さえ持っていれば金など無くてもどこでも暮らす事が出来る。
問題は今までの土地に未練を残さない事と新しい土地に収穫出来るかどうかわからんでも種を植える覚悟があるかどうかだと思う。
新しい土地に移住して上手くやれない人の特徴は種を撒かないうちに収穫しようとする。