3月10日は増毛駅前からたった2キロが帰れるだろうかとう言うほどの猛吹雪だった。
途中で道は無くなったが左は堤防で高くなって右は線路で高くなっているので道を踏み外す事は無いべと4輪駆動で無理くり突破してやっと帰った。
線路は高さ6メーター位のところにあり
真っ暗な崖を後ろに牡丹雪が降る夜に列車が通るさまは宙に浮いているようでまるで宮沢賢冶の銀河鉄道を見るようでなんとも美しい 乗ってる人はどんな人がどんな思いで乗ってどこに行くのだろうかと
3月12日はやっと長かった数年が終わった。そう確定申告が終わったのだ北海道どころか全国のボート業界はどん底でここも例外でなく大きくなり過ぎた図体は維持するだけに無駄な出費がどんどん重なり維持を出来なくなった。会社を清算する準備に3年の月日が掛かり万が一の時には踏み倒す順番を決めていた3年間 なんと運のいい事に持ってるゴミ同然の趣味の物や不動産が買った当時の3分の一前後で売れたり、大型エンジンが情けで使いもしないの買って貰ったりと誰にも迷惑を掛けずに終了出来た。個人事業者として再出発の昨年の初めての確定申告が終わったのだ。
扶養家族一切無し守るべき物もない俺から稼ぎの半分近くを各種税金で思いっきり獲るのは正しいと思う。ただ今は銭が無いだけで少々困窮してるだけで
3年間の清算準備と業務に多額のムダ金を使ったが半分で後ろを見て半分で前を見ての人生だったので終わってみるとなんも大した気にもならない
いままでも仕事で一度赤字を出すと元に戻すまでにおよそ3年は掛かってきたが今は元に戻す事すら出来ない
それは景気がどうのではなく年を食ったのだ、それに会社も年を食って行く事を忘れて行けない設備の更新や技術の更新や新しい道への投資など絶えず手を入れ続ける事が必要で、それを怠った者は誰が悪いのではなく消える運命にあるのだ。
弁天から見上げる所にある役場の税務課の冷たい目線に耐えながらやっとこさ税金も完納してすべて完了
最後は踏み倒してやろうかと思った目の前にある銀行も昨年で完了してこれでジエンド
俺は思うのだが商売は元があっての商売で仕入れ先や銀行があっての商売と師匠に叩きこまれているので一円の不義理もなく完了したのは本当によかったと思っている。
不思議な事に増毛にはお上の世話にもならずどうやって食っているのだと思うオヤジが沢山いる。朝は魚の網外しにリンゴ園の出面さんや山菜採りと何かしらの稼ぎはあるのだろうとは思うのだが
毎日朝一番に向かい側に沢山ある自動販売機に歩いて小銭やタバコを拾いに来てるらしいと噂のオヤジがいる。
俺はそのオヤジにどれほど元気付けられた事か俺も最後はあの手で生きて行こうと決めた。
畳の上では絶対にクタバラン出来る事ならバカな奴と言われくらいの誰かの為にか人生の大きなターニングポイントだった鶴舞公園の桜でも見ながらベンチで眠るようにくたばってみたいと贅沢な事を考えている。