豆腐半丁

口減らしの為に北海道から中一の10月に南光中学に転校したが驚きの連続だった。
伊勢湾台風で水が付いた北海道では考えられない隙間だらけのボロボロの校舎で雨が降ると教室移動に長靴が必要だったし夕方になると吸血コウモリの大群が校舎に戻って来ると言う恐ろしい校舎だった。
だが授業内容は北海道とは全然違い特に技術系の教室には旋盤からエンジンの実機など豊富にあって教える事も何が何だかわからんほど難しかった。
ここで初めて作用と反作用を習い旋盤加工も習った。
南光中学は伊勢湾台風被害の中心地になり生徒も食って行くのがやっと言う者が多かったが当時は中卒は金の卵で即戦力になる様に教育をしていた様に思う。
技術の泣きっ面ハンベの片桐先生は数学と物理は誰にでも考える事を止めなければ答えは出せると言われ
その言葉は一生の宝となって今でも考え続けてる。

ここに一丁100円の豆腐が半丁に切られて売っている。
店の桶に縦5個、横5個さて全部売ったら幾らになるでしょう。
半丁×5列×5列×100円=1250円 う~ん答えとしてはあっているが納得出来ん
さらにマイナス×マイナスはプラスなるなど答えとてしては合っていても納得出来ん
ロクデナシ×ヤクザの父さん=良い人みたいな答えになるが

数学はいつ頃出来たのかは知らんがエジプトのピラミッドは数学なしでは出来なかっただろうと思う。そう思うと古代から一以下の考え方は有ったのだろと思う。
日本にはこの掛け算と言う方式は近代になってから普及したのではないかと勝手に思う。

トヨタ産業技術記念館

さすがにこれは掛け算なしでは作る事は莫大な手間と時間が掛かる西洋の建物は掛け算を多用したと思うが
日本の建物を作る時は板に縦にイロハ~と横に一、二、三と墨で書いて ヘの三番などと言いながら家を建てた。これは曲線が多い城を建てる時もそうだったろうと思う。
たった板図一枚で建物を作った時代がつい十数年前まであったのだ
二千年何百年と長年養われた技術や文化がここ数十年で急激な変化をして当然反作用も起きて来るが
日本の文化は、ま~いっかと言う曲線と寛容の割り切れない言葉で伝える事が難しい文化なのかも知れない

0.5は一日働いてもコメ通帳で一合しか買う事が出来なかった俺に
元気かどうかたまには学校にこいと言って呉れたハンベの片桐先生を思いださせた。

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