完了


スズキDF140馬力 DOHC16バルブ EFI
年に数回しか使わないエンジンのシリンダー内部 ジャケットに白く見えるのは電食部分と塩 
どれかのバルブが開いてピストンが下がってるシリンダー壁には潮風が入る為にわずかだが錆が来てる。 
絶えずポートが開いてる2サイクルになると1~2年で錆によりロックしてしまいセルも回らなくなる。防ぐ為に使わなくてもエンジンを始動し続ける事が必要になって来る。
手で錆を落とす事は今までの経験上は止めた方がいい鋳鉄シリンダーには細かい溝が無数にありそれを削ると一秒間に十数メーター移動するピストンを潤滑する為のオイルが溜まる場所が無くなり焼付きの原因となる。
現在も鋳鉄がシリンダーに使われるのは細かい穴があるからなのだ。
一度錆びてしまったものは交換するかボーリングするかしかないが費用対効果を考えるとそのままエンジンを始動して錆を削り落とすしかなく冷却を海水でしてるエンジンは電食の観点からもある程度の年数がたった物は余程の事が無い限り分解する事は進められない
北海道の浜の場合は春になったら何もせずにエンジンがすんなり始動したと喜んでそのまま使用される使用期間が縮まるだけで問題も起きる事は無い。
使わない期間の長いスノーモービルも除雪機も草刈り機も浜で使うエンジンはシリンダー壁の錆びを完全に防ぐ手立てはなく
エンジンがいきなり止まる事は無いのでダメになりそうになったら買い換えるかアウトになるまで気にせず使うしかない 4サイクルの場合はオイルの量が増えてきたらアウト
見ぬもの清なのである。

心配したメタルもシリンダーも経年変化の電食と錆び以外は問題は無くやや5日間掛かった点検の為のエンジンオーバーホール完了と共にこれで最後終了

名古屋は愛知機械や三菱といった戦闘機を多く生産した土地で昭和40年代頃でも太平洋戦争の航空機関兵経験者がまだ40代くらいだった。そういう人達がゴロゴロいた時代に修理工をスタート出来た事は本当に良かったと思う。
平和の大切さを機関兵から直接この耳で聞いて来た。
昭和40年代頃でもエンジンは殆んどすべてが職人の手による摺合せをして合わせた一品物と言ってよく インテークの段差があったり締付け順序でクランクが回らないなど
同じエンジンでも部品が合わない事はよくあったし組む人によって調子が変わるなどは当たり前だった。
膨張率の違うアルミのヘッドを鋳鉄のシリンダーにボルトも何も使わないで焼き嵌めで組むなどは本当に職人技でそんな人達が指の爪を油で真っ黒にし弁当箱を自転車の荷台に括り付けた人達がその辺に普通にいた。
たった一度しかない人生を勘違いでも結構満足出来た事は油にまみれて修理工をやったおかげだと思う。


次は口だけ出すラーメン屋と口だけ出す機械屋だな~そんな訳で本日は昼間から酒をかっ食らいだった。

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