終了

若い時と違い仕事する時の気持ちに余裕がまったく無いので、これが最後のエンジンオーバーホール点検と決めて決行する 。
9割以上大丈夫と言うエンジンをオーバーホールまでして点検するのは自分の不始末とボートだからやるのであってこのエンジンが車のエンジンだったらやる事はない
車が常時6千回転まで上げて走るなど通常はありえないしさらに異常が起きてもそれは歩いて帰る事が出来る場所で起きる。
バイクがコンロッドが足を出したりボルトの脱落はそれはイキシニに掛かってくるのでボートとあまり変わらない さらに集団で行動する事の無いボートは怖い
ボートに係わるその恐怖に耐えられなくなったのでこの辺でオシマイにジエンドしようと思う。
最後に残った二年越しの後始末を電話も何も切って世俗を遮断して誰も話掛けないでと予定は5日間でする事に


右舷側 ボートはエンジンを見る時には振り返って見るので右と左を混同するが右は右


左舷側


このエンジンは降ろす時にストリップにした方が後々楽で揚げ下げの作業時の二次災害も起きない


縦型L4気筒DOHC16バルブ


エンジンをカムチェーン側から見る。パワー取出しシャフトが偏心して減速されている事がわかるこれがプロペラの回転を下げてパワーロスを減らしてる。

知ってる限りではエンジンはバイクのエンジンが最高峰で精密に作らている。
今までのエンジンで一番苦労した記憶はヤマハのFZX750 4気筒20バルブ 一気筒辺り5個のバルブが付いていた いつも通りバラしてびくりスリーピースのヘッドからバルブのシムがスプリングで押されて全部飛び出してしまった。
厚さを一枚一枚測定してさらにそれぞれの20バルブに組み込む 組合わせは5の4乗さらに個々のシムの厚さ気の遠くなる作業だった。
40代前半の話でそれでも組んで普通に使う事が出来た。
若いと言う事は素晴らしかったと今になって思う。
今はそれぞれの行程を細分化しないと記憶が作業に付いてゆかずに出来ないのだ。
半世紀の修理工人生ももうオーバーホールはやってはいけないこれが最後の作業になる。
もともと脳味噌の重量も少なく乱暴なので修理工には向いていなかったが兎に角この仕事が好きだったし楽しかった。
そう考えると仕事ってなんなんだろう。
仕事に誇りを持てと言うがそれは使いやすいからなのではないのか
お客さんにとっては迷惑な話だが誇りを持ってるほど修理が上手だった訳ではないが
ただただ楽しかった。

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