28日朝テレビを見ていて鹿追に行こうと突然飛び出した。
十勝が広いと言う事は思っていたが
国道から中に入った事は無かった。
鹿追の目的の家に中々着かない やっと見かけた人に家をきく
ま~すぐ行って墓があるから右に曲がってそこがそうだと買物椅子を押してる婆様が言う。 墓は無かったが右に曲がる砂利道にブチ当たり迷う。
今度は意識のハッキリしてそうなオヤジに聞く
あの高い乾燥小屋を右に曲がり左に曲がり真っ直ぐ行ってその辺りで聞けと言う。
増毛で真っ直ぐとはせいぜい400~500メーターで海に落ちるか崖にぶつかるか
それ以上真っ直ぐゆくと熊に食われてクタバルかどっちにせ危ない目にあう
畑には馬鹿でかい無人のトラックターは方々にあるがなぜか誰もいない
そのうちに畑の真ん中に人影が見えてきた すがる思いで牛糞と藁の撒かれた畑を進む短い靴の中に牛糞が溜まる
ここでひるんでは男がすたると突き進む
少し学んだ十勝に来る時は長靴は必需品と
やっとこさ家を探し当てるが留守
畑に出てると言うがその畑がまた大変 誰に聞いても何もわからん
親切を絵に描いたような人が現れ携帯で呼んでくれた。
畑から車で来るので10~15分程度掛かると言う。
まてよ
日本海側では10分とは増毛郡増毛町大字小字から留萌までの距離がある どれだけ凄い畑なのか驚くばかりなのだ。
歳食ってからのここでの生活は広すぎて無理だと感じた。
その点は日本海側の海沿いはそこら中に魚や山菜など食い物があり生活施設も近場にチマチマとあり楽だと感じ改めて増毛の良さを感じた。
北海道に職探しに来て一月、金も尽き果て数日ろくにメシも食っていないと言う初老のオヤジにセイコマのサンドイッチを食って貰う。
見ないようにしながら見てるとポロッと涙を流した。
芦別の駅で降ろそうと思ったが金も無いのに駅に降ろしてもどうにもならん
それでは俺がいつも言うメシが食えなくなったら田舎に住めと言う持論が根底から崩れるし
そもそもが自分の過ちなどをハイそうですかと認めるほど俺は素直でもない
大規模農家をまじかで見る経験が全く無いので
農作業とは夕方になったら 夕焼けこやけをなどを歌いながら道端の山菜を採って晩飯の足しにするのんびりとした事を漠然と考えていた俺は超甘かった。
色々話合いの末にまた増毛に連れ帰る事になってしまった。
自説をコクだけの俺だった事を深く反省しながら二人で岐路に付いた。
テレビで雪が降る事を伝えていた。
数十年来の冬山の現場作業で経験済だが
季節外れの雪は恐い
また生死を分けるような冬が来ないように願うばかり