ビラまき飛行機

この欄は残す事に致しました。と言うか見知らぬ人に繋がってる自分の証しかも

昨日はマリーナーの年一回の説明会があり集まったが最盛期の三分の一くらいの90人ほどだった。
自分ではもう輸出以外は中古も新艇も売るのは数年前に止めた。
これからは今まで買って貰った人達と共にゆっくり時間を過ごしてゆきたいと思っている。
トコトン突き詰める奴や
短気で早とちりな奴や
頭が良すぎる奴など
全体的に面倒臭い連中が多いが俺は自分のお客さんが好きだ。

ボートは安い物ではないがそれ故に買うまでが楽しい物でもある。
川でも沼でも水辺で小さな魚を見て もっと前に出たらどんな世界が有るのだろうと
一歩前に進もうとした人達の道具であったと思う。
まず板を集めて釘で打って乗って見る、
少し余裕が出来たらゴムボートを買い漕いで出てみる。
ボート屋の前を何度も通り眺めカタログをアンデモなコンデモないと見続ける数年間
中には置いてある人様のボートにあがり海を眺めてもう気分は船長なのだが 
『 オリャ~人様が苦労して買ったボートに上がりやがって~お前駐車場に車に置いてあるからと乗り込むか~ 』
とクドクドと説教するが結構多いので金掛けて看板を作ったほどなのだ
「 あがったからには買え 」とカタログを渡す
あれやこれやがこれが永いほど楽しい
そのうちのほんの数人が数年後か数十年後にボートに辿り着く

バイクでもボートでも遊ぶ物を欲しいその為にはいま余分に稼がんといかん
それがやがて家族が出来たり子供が出来たりして遠ざかる。
また余裕が出来て夢再燃するその欲しいと思う夢を見せる事が出来る業界だった。

どこの業界もかなり前からコスト削減とかでカタログもメーカーから一枚幾らで買い
本当に買いそうな人にだけ渡す。
夢を見たいと言う人達に夢を見せてあげれない
社会の全体を見渡す事の出来ない
セコク想像力の欠如したメーカーや業界は先細りしかないのだょ
そんなセコイ業界はサッサと辞めちめえ
ニッサンボートは最後の最後までカタログは段ボール箱でドサッと無償で送られてきた。
御蔭さんで幼稚園児だろうが誰だろうが渡す事が出来た。

いつからかメーカーが社会の一員である事を忘れて
利益利益株価株価と優秀な学校を出たらしい若造が無駄を見直すなどと上申しウンウンと聞く経営陣
お客さんの顔を忘れた
それが日本メーカーの衰退に繋がったような気がしてならない

滅多に見る事ない飛行機が飛んで来て
電柱も水道も無い原野二線村や神居岩村に洗濯機のビラが空からバラ撒かれた
子供達は裏に何も書かれていないビラを追い駆けて集めノートを作った。
あれは飛行機乗りもメーカーも買う事も出来ない子に呉れた夢の送り物だったのだ。

「 かあちゃん俺がいつか買ってやるよ 」と

2 thoughts on “ビラまき飛行機

  1. お久しぶりです。毎日拝見しておりますがコメントは数年に一度……。私も、奥さんと一緒にボートを拝見にいった一人です。さすがにデッキに上がったりはしなかったと記憶しますが、「なぜりょうさんという人はただの一言も『売らん哉』的なことをおっしゃらないのだろう」と、それは不思議でした。本日の記事を拝見し、なるほどと納得いたしました。私も、ハエのように興味のあるものにたかり、あっというまに別のことに興味を移す(今なら中国暮らし)人間であったわけです。まぁその中国暮らしも、あと3ヶ月で終わりますが。▼飛行機から落ちてくるビラ、私も懐かしいです。りょうさんの記事を拝読し、50年前の、あの小学校の校庭の、あの埃の匂いが蘇ってきました。私が友達と争って拾った紙は大変に薄いものでしたが、それが宝物のように貴重であった日を思い出しました。ありがとうございました。

  2. hiroさん お元気ですか ふと海南島はどこにあるんだべと地図を見てみました。
    びっくりポンです(日本の朝の連続ドラマの流行り言葉)。
    初めてまじまじと見たら北海道より緯度が低いではありませんか 
    中国と言うと凍てつく寒さとどこまでも続く草原の大地で馬が交通手段だと思っていた
    自分がナンテコッタです。

    36度より南に美味い魚は無いと言うのが俺の持論です。
    日本に戻りましたらぜひガヤと八角の刺身を食って下さい
    ではでは

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