鶴への恩返し


マークルーザー5,7リッター このエンジン下に付いているセルが回らん
30年はゆうに立ってるだろうからビルジ水でボルトは錆びてるだろうしボルトの頭も無いかも知れんもしそうだったらエンジンを一旦外さんない
多少は海の怖さを知っているし修理には保証が付くし先々の故障も色々考えると面倒臭いのでやりたくないが かなり前に俺が売ったので仕方ない
船主はエンジンを始動させれば海に出ないでも満足する人なので
少しは気持ちが救われる。
船底に一万札が落ちてると思って狭い中に手を突っ込んで傷だらけになりながら作業開始

自営業がボヤクのは仕事の内なのだ。
真面に聞いたらイカン
通天閣あたりのオッサンに儲かりマッカと聞いて
「 ボチボチでんね 」は相当儲かってる。
「 あきまへん 」はソコソコ儲かってる。


三菱南部菊水

三菱新光

北炭清水沢

昭和炭鉱 坑道商店が雪の下にある。

北海道は石炭産業に大きく依存して栄えていったが
昭和46年を境に国策によって石炭政策が大きく変わり各地で閉山の嵐が吹き上げる。
その中でも財閥系の三井、住友、三菱などで働いた鉱夫や組夫達はまだよかった黒手帳や他所に移籍も出来たが
赤平や芦別や夕張などの自営業者はなんの補償も無く廃れに任せていくしかなかった。
従業員が居る者は何の補償も無い中で従業員の行く末を案じて
自分の年金を掛ける事も出来ない中で
鶴の様に見ないで下さいと自分の羽根を抜いて従業員に渡し新天地にと
頑張ってねと、元気でねと、新しい親に可愛がって貰いなさいと
駅から手をふり送り出したのだ。
いまがあるのは見えない鶴のお蔭なのだ。

旧産炭地で腰を曲げ杖を付いて歩くお年寄りは残ったお客さんが居る限りはここに居ると残り続けて私財を取り崩し最後は家までも風雪に潰されていった。
北海道には国策で商店街がなんの補償も無く消えてしまったマチは上芦、茂尻、我路、とアチコチにある。

オリンピックより旧産炭地に学ぶべきものは多い
なにをコロナで未来にツケを残す補償金がドッタラコッタラ
本気で泣きを入れるなら自営業などするな!サッサと辞めちまえ
これからは誰の指図も受けんと一本独鈷になったのではないのか

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