第四話 「気」について

  スープも作りました、麺も茹でました。 これらは練習次第で誰でも出来ます。
一番難しいのは相対だと思います。 お金を受け取る時、渡す時。
 よく、コンビニなどでお釣りを渡す時に、手のひら上数センチでお金を放す人がいます。 その些細な仕草に、育ちと性格が出てムットするのです。
かしこまれば良いと言うわけでは有りませんが、最低限相手は両替機ではないので、これはまずい。 お金を落とすのはまずい。 貴方はどうでしょう、そういう経験有りませんか?
もしそういう経験が有るならば、渡される側にも問題があると考えて、修行してみませんか。 車で走っている最中に、歩いている女性をじっといい女だな~と見ている時に、相手がふっと振り返り目が合ったりしたこと有りませんか。 これは助の字の「気」を送っているのです。 それだけ離れていても通じるのですから、店の中はまだ通じやすくやりやすいでしょう。

  今度からレジのお姉さんに、お姉さんは綺麗だ、俺はお前が大好きだ、だが今どうしてもお釣りが欲しい、品物も渡して欲しいと目を見て念じるのです。
以心伝心の練習をするのです。 それでもお金を手のひらに落とされるなら、まだ修行が足りないのかも。
どうしても合わない人は、縁が無かったとスッパと諦めるのも手ですが、最初は多少変な奴と思われるかも知れませんが必ずや気持ちは伝わり、その精度は維新後の電信なみになるでしょう。 維新電信なんちゃって(寒)。

  これはどんな商売でもお客さんに初めて会った時に役に立ちます。
最初に目が合った時、お客さん俺はアンタが好きだ、ラーメンを食ってくれ!と念じるのです。 ラーメン屋の親父はお客さんを好きにならなければならないと思うのです。
店側が、お客さんを嫌っていながら「金だけ寄こせ」は、これはお客さんを冷静な目で見ますので結構儲かりますが、実行出来る人と出来ない人がいます。 出来ない人がやると難しいし長続きしません。
店側が先にお客さんを好きになる方が簡単ですし、コストも掛かりません。
その際、あまり愛想の良いのも嘘臭いですから、目線が問題でしょうね。
ラーメン屋は圧倒的に男客が多いので、特に誤解?されないように目線が重要です。
カウンターのお客さんが、全員小指を立てて割り箸を割るようになりかねません。
横目、流し目はまずい。 黒目が、たえず白目の中間に無ければなりません。 黒目がどちらかに寄り、白目が多い方を見てる人は、白い目で見ると言われ良いことでは有りません。 
黒目が多いとニラムと言われます。 「目は口ほどに物を言う」と諺に有りますから、十分注意が必要です。 必ず顔を向けましょう。
食べている最中、ドンブリの中をジット見ていたりもまずい。 お客さんは腰掛けて食べる訳ですから、一番敏感な頭にMRI並の「気」が刺さり、落ち着いて食えないと思います。

  ラーメンを食する約20分と言う長い時間、気をさりげなく送る事はさほど難しいことでは無いでしょう。 そして貴方の気が充実してきて、他所に行ったとき、働いている若者に頑張れと「気」を込めてエールを送るのは年長の義務です。 年配者であれば、ご苦労様と念じるのです。 さらにお金を受け取る時に一言が言える様になったら、師範でしょう。
決して、カニ屋の親父が怒ったら「こーらー」などと先の見えるギャグは禁物です。
食べ物ならこれ美味しいか?食べてみたかとか? 「お~」とか!「うんだ~(そうだ~)」とか! 
働く若者に声を掛けるのが親父の義務ですし、声をかける事で、そこに確かにその若者が居たことを認める事にもなります。
クソ暑い中、一生懸命働く若者が、義理でも仕事でも有難うございますと貴方に言っているのだから、無言で「気」もなく品物やお釣りを受け取り立ち去るのはいかにもまずい。 大人のする事では有りません
さ~貴方はこれから「気」の訓練にコンビニに行きましょう。 俺はグリコ ポッキーなど気を折る様な買い物は次回にしてと、日清チキンラーメンのドンブリ付きが売り出されたそうだから、スーパーのお姉さんに気を送りにゆこぅ~と!