白いご飯


ここに生き付くまで住民票を12回替えここを終の棲家と決めてここで終わろうと思う。

ここは冬は何日も人と会話をする事が無く夏でもあまり人と話をする事がなく
土日ラーメン屋をやって会話をするくらいのものなのだ。
土曜日に店を開けるとまず数十メーター離れた隣のお姉様が家からそろりそろりと出て来て店が終る頃には北隣の百メーターほど離れた老漁師の徳さんが腰を曲げならガハハッと来てビールとラーメンを食す。
徳さんは居合わせた人に必ず何処から来たと聞く
重度で耳が遠く、ほぼ自分の都合に合わせて話を解釈をする。
そんな営業日の土日とも常連客かかなり度胸のある一見さんで一日が過ぎる。


BF130 ショートブロック

もうすぐエンジンに貴方は何処が悪いのですかと聞いたらコノ部品を替えて下さいと言う様になるだろう。
「 ワタシハ、ハタラキスギマシタ、カエカエテクダサイ、タントウニイマスグデンワヲ 」と
実際に一時期だがスズキの200馬力船外機が音声で異常個所を喋った時があったらしい実物は見た事は無いが
出逢った時に困らん様にサービスマニュアルは今も持っている。

俺のお客さんは100キロ以上離れているのは何も珍しくはなくトラブル相談は携帯でやり取りは多く
機械のトラブルシューティングには余計な会話は邪魔にしかならないので決まり切った会話しかない
それは耳に当てた箱から聞こえるのはチャットナンチャラとさほど変わらんのだ。
月曜日から金曜日は効率重視と老いた身体にムチを当て時間短縮=単価の潤いもない生活をしなければならないがそれももうすぐ終わるだろう。
修理手順は動画で知り物はネットで買ってともうすぐ田舎は修理工は要らなくなる時代が来る。
身体の中に普通にチ~が流れ息もする動物達と人間の違いは生活に潤いを持たせる量の違いではないのかと思う。
それはトラブルも人生の一コマに潤いに替える。
若かりし頃に少々外れた時期があってその時は何か面白い事がないかと誰かに聞く時は殆どが他人の成功した話ではなく失敗した話を求めてるのだと知った。
「 人の不幸は蜜の味 私の耳はロバさんょ 」とその状態を乗り切って前に進む事が出来るのが人間と動物の違いなのだと思うのだが
その力は何処から出るかと言うとやはり人との会話の中に学び
出逢った人を一人も取りこぼしたくないとラーメンを茹でながら最近は欲深く思う。

金曜から試食でラーメンを食い続け今日からは修理工に戻り白いご飯を食べる事が出来る。

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