南二軒隣に元漁師の魔術師でなく
マジシャンの爺様が居る
元々たいした人のいない村で唯一の観客の婆様が入院したので
他の趣味のジグソーパズルと日がな一日戦っている。
難しいのはあまり個性のない絵との事
俺自身はいま朝令暮改どころか朝令昼改で何が何だか物凄いスピードで毎日が変化してる。
それなのに家を空けて遊んでいられるのは移動式のナンチャラ言うパソコンを買ったからなのだ
携帯電話と数台のパソコンに操られ、
まるで脱走はしたけれど町内を首輪を付けて引き綱を引きづりながら
俺は自由だワンと歩いてる犬と大した変わらんのだ。
最低限の生きる野生の勘が失われてる気がするのだが
長かったのか短かったのか今
自分の人生パズルに何かわからんピースが薄らぼんやり
これを埋めたら出来上がりと見えるような気がしてるのだが
けれどそれがなんなのか分からない
或る日はとてもいい子で
道に困った人がいるとわざわざ車を停めて降りる事もするが
又ある日は目の前に有る物が宙を飛んでゆく
商売は何もない処にするのがリターンは大きいが商売人は人の半歩前を歩くのが商売だとも思うし
何がなんだかわからん
終盤のピースを埋めるのに一体何を埋めて完成としたいのか分からない
ただ言える事は駅前で行きかう人を見て酒呑んであっちゃに手を振りこっちゃに手を振りして帰る道々の景色が好きなのだ。