帰りに愛山上川から無料高速に乗り比布北まで走り そこから先は有料になるので降りて
鷹栖を経由して江丹別から上湯内に走り沼田からまた無料高速が早いと思っているのだが
江丹別から上湯内の山越え間は20キロほどの間は全く人家が無い
湯内トンネルを超えてややしばらく走ると道路に人が歩いていた。
キノコでも取ってるのか と通り過ぎたがなんぼ見ても置いてあるはずの車が無い
なんか変だと思い引き返してみた。
戻ってみると両手に小さな空きビンを持って
それに野菊を一杯差して後生大事に抱えていた。
「 父さんどこに行くの 」と聞いたが何も言わない
俺のムサイ顔に怯えてるのか
爺さんに話を掛けてるうちに
やたらくたびれた古いクラウンらしいパトカーが江丹別方面から来た。
パトカー同様に多少くたびれた お巡りさんが下りて来て
「 知り合いですか 」と聞く
次は新しいクラウンのパトカーが来て
「 110番通報したのは貴方ですか 」と聞く
俺はせんと言う。
次が多度志方面からのミニパトが来て
合計3台に囲まれた。
これで安心と思って帰ろうとすると
帰ったらいかん待ってくれと言われて
旭川の人で痴呆があり家族から捜索願いが出ているとの事だった。
名前を聞かれたが面倒そうなので氏だけ言って逃げて来た。
俺が戻って来るまでに江丹別に向かってだいぶ移動していたが
だけどこの道は数分に一台くらいの交通量があり この爺さんがどこから歩いて来たのか
数十キロ間に誰も止まる事は無かったのか
確かにカーブが多く下手に止まると事故は起きそうだが
この道路を走る奴は結構な薄情者なのかも
夕方4時頃と明るかったのは良かった。
俺は思うのだが船に乗る人間は救命胴衣を車に一着くらいは乗せて置くといいと
旭川からだと数十キロとかなりの距離があり何を思って
何を思い出し歩いたのか
両手に持っていたビンに一杯差した野菊は最愛の婆さんの仏壇に上げる
花を探して歩いていたのか
俺は嫁さんに逃げれたが元気で居るのが救いだと手に抱えてる野菊を見て勝手に思い込んだ。
それともこの江丹別~湯内間の旧道は昔は知る人は知る
今は走れないが走り屋小僧のメッカだった。
もしかして昔を思い出した走り屋小僧だったのか
なんか自分の行く先を見たような気がした。