一番安いバイクを買って
自分で空気を入れオイルを点検してアチコチ点検をする。
そのうちに見かねた店主は手伝って呉れる一旦バイクに乗った、
その時から起きる事はすべて自分の身体で払わなければならない
誰も守っては呉れない
安いバイクが故障して自分でどうにもならなく困って押しながら自分の人生を振り返る事が出来るような気がするのだが
情けは次の誰かに伝播する。
退職の前日に家人には旅に出るとだけ伝える。
ツーリングとは言わない旅である。
南に行くか北に行くか
どの道、何があっても助けては貰えないし最悪でも身元は証明出来る。
朝まだ朝露が残る朝に家人が起きないようにバイクは角まで押してゆき曲がったところでエンジンを掛ける。
自分で楽に押せないバイクは止めましょう海でも山でも自分の力で行った処しか生きては戻れない。
トラックが一台しか止まっていない空の狭い道の駅で
優れ物のエァーマットを敷いて寝てると
どこかで
「 ト~コ~ロ~帰~る~よ~ 」と聞こえる。
その声はドンドン近くなるやがてテントの近くで聞こえ止まる。
やたら高そうな白い車が駐車場で止まり
男女で「 ト~コ~ロ~帰~る~よ~ 」の合唱が始まった。
ひときしり叫んでまた何処かに行く その繰り返しが続いた。
自分でも犬を飼っていたので気持ちは分かる。
こっちは腹減って多度志のセーコーマートで食糧を買って無かった事を後悔していた。
多度志から美深までやや100キロ間に夕方6時以降に食糧を調達出来る所は無い事を初めて知った。
腹減ったので幌加内まで走り、ソバ一色の町に開いているラーメン屋をめっけて店主お勧めの味噌ラーメンを食った。
味噌は普段食わないのだが田舎では店主お勧めを食うのが礼儀
中々美味い 聞くと誰も知り合いのいない北でラーメン屋をやりたかったそうだ。
蹴り飛ばしても簡単には倒れそうもないオヤジだったが
何が悲しかったのか、そうとう辛い事があったのか
『 うんな訳ね~か~ 』と食ったが麺もしっかりして美味い
道の駅がすぐ側なら一杯と思うと道の駅の場所が残念と断念して戻る。
やや!駐車場では車が増えて合唱がさらに大きくなってる。
トラックは朝も早いだろうにと少し可哀想になった
空の狭い場所で深夜話の内容はよく聞こえる、どうも通り掛かりの愛犬家らしき連中が集まってるらしい
ジャパネット高田のような金きり声で「 ト~コ~ロ~帰~る~よ~ 」の合唱が始まった。
ひときしり叫んでまた何処かに行く その繰り返しが朝まで続き先生から寝不足だけは気を付けるように言われた寝不足になった。
どんな犬か知らんが俺が犬ならこんな迷惑な家から早々に家出する。
二度目の美深でバイクでは初めて
人口は増毛とほぼ同じだが町の規模が違うが
最近町の入口にバイパスが出来て来る車が極端に減ったそうだ。
日本のすべての道はトウキョウに行く為にあり縦割りの弊害か町を見る事はしない
悲惨なのはこの先の深名線に
駅図書、大した経費も掛かっていなそうな場所だが閉鎖すると書いてあった。
チェなんでもかんでも閉鎖か!
本棚を見るとその人成りが分かると言うが
この本棚だけで数百人はクタバッテいそう殺人事件の推理本が多かった。
店仕舞いで持って行っていいと書いてあったが歯を抜くのを手伝うのはヤメた。