雄冬連峰

点検作業は毎日同じ事の繰り返しで飽きて来るのだ。
修理工にも二通りいて故障を直すタイプと故障を未然に防ぐタイプがいる。
壊れた物を直すタイプは真面目にコツコツではない一見豪快タイプが多いが
故障を未然に防ぐタイプはいつ壊れるかわからん、壊れ無いかも知れん物を事前にコツコツ点検作業をする真面目にコツコツタイプが多く
残念ながら両方を100パーセント完璧にこなす者は見た記憶がない
娘を嫁にやるなら故障を未然に防ぐタイプがいいに決まっているのだが、
当の娘がつまんない~とかなんとか言って人生を棒に振ってしまうのだ。
まった壊れた物を直すタイプは場数を踏んでいるので先が見え過ぎるくらい見えてしまい
あ~これダメ、ジエンド、買え替え、お別れと決断が速いのが欠点でもあり長所でもあるのだ。

耐久消費財の場合には故障を防ぐ作業の方が重要で除雪機の場合は2倍から3倍は長持ちもする。
壊れた物を直す作業は謎解きゲーム感覚で作業は面白いが、同じ作業の繰り返しの点検作業はかなりの苦痛を生じる。
製造ライン作業をする者なども相当の根性と気構えがなければ出来ない

そんな訳で息抜きに以前から気になっていた ここから東に峠を越えた北竜字和に行って来た。
滝川、砂川に行く場合は牧岡に抜けるので通る事は無いが 人口1700人程度の農業の町で飲食店が10軒もあり
単純計算で170人に一軒ある勘定になるのだ。
その計算でいけば増毛では22軒はあっていい勘定になるが そんなには無いしここは観光客目当ての店が多く
地元民がそうそう気軽に海鮮丼ばかり食いにはいけない

北竜町字和は地道にコツコツの農村なのだ。
カラオケを歌っても海の男の歌や海の男に捨てられたお姉さんの歌は山ほどあるが
その中でも太平洋の歌は、岡晴夫の憧れのハワイ航路くらいで歌はほとんどが日本海側になるのだ。
農村の歌は「与作は木を切る」しか知らんし

北竜町字和は農村なのだ。
滅多に開いてる時を見ない食堂、向日葵 (himawari-hokuryu.com)は営業時間が昼と夕方5時以降なので時間を合わせて行って来た。
店に入って驚いたこじんまりとした店なのかと思ったが やたら人が居るのだ従業員なのか子供なのか3人で店を切り盛りして
さらにメニューがやたら多く メニューに無い物でも時間があれば作って呉れると言う
俺は今日から新蕎麦と言う大海老三本入りの天蕎麦950円を食す。

隣には夜でも開いてる時を滅多に見た事がない、スナックきらら、に灯りが付いていて入って見る事に
米の名前の、きらら、と言うからには話題は今年の作況やコンバインの話題かなと入店するが
中には春に2トンダンプの下敷きになり肺が半分と脾臓がつぶれドクターヘリで運ばれたが三途の川を渡らずに戻って来たと言う農業サイボーグお姉さん達が退院祝いで呑みに来ていて
根性ナシなので圧倒されて言葉も出ずに唯々呑み続ける事に

そこそこの御歳のカンター嬢さんが話を振って呉れて色々な話を聞けてよかった。
なぜに和には飲食店が多いのか納得のいく話を聞く事も出来た。

車は道の駅までは2キロほどあるので町営駐車場に止めて車中泊で夜明けと共に戻る事に


北竜字恵岱別 雲海を右に行けば幌糠チバべリなのだがほんの数百メートルが道が険しく歩きかスノーモービルでなければ行く事は出来ない
左に行くとシュウリ沢で真っすぐ行くと増毛町になる。

暑寒別岳に雪が積っている
この雄冬連峰の暑寒別岳は標高1492メートルなのだが内地の1400メーターは普通に人が住んでいるが北海道の標高はほぼ倍の標高を見た方がいいと思うのだが 知らんけど!

この山の麓、左側に雨竜町字国領小学校があった国領は明治42年に群馬県佐波郡豊受村大字国領村から集中豪雨により田畑を失った人達が入植して来た地区なのだが
地区的にも過酷な地で雨竜町に出るには崖のキツイ尾白利加川を越える事は出来ずに
冬季間は食うや食わずの子供や家族の為にニシンなどのタンパク質を求めてこの山を越えて増毛まで片道およそ30キロを歩いて山を超えて来たそうだ、
当然現金などは無く物々交換だったと思われるが背中に背負った物はそれは山菜だったのか蕎麦だったのか
いま増毛に住む者として等価交換以上の情のある交換であった事を願う。

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