伊賀上野城壁の石を積む
川の中の石の上に家を建てる。
畑に石を積む
南海道紀伊国
ここで暮らすには気の遠くなる様な石を積む事から始まる。
ここでは田畑の土が流されない様に石を積むのです。
ここでは子供が一人増えたら住む処を作る為に食べさせる為に石を積むのです。
と加賀美幸子のナレーションが聞こえる気がした。
川の中に鉄の杭を打ち川にはみ出し家を建るなど普通に見られるが
軽がやっと通れる道に他所者がノンビリ車を止めて写真など撮る事など許される事ではない
ましてやギリギリの生活を画像で切り取る事も躊躇してしまうのだ。
今迄コロナで職を失って住む家も失ってホームレスになってもなぜ生まれた処に帰らないのか
帰ればふる里が温かく迎えて呉れるだろうくらいに思っていた。
南海道紀伊国には次男坊や三男坊がその土地に残る事など許されなく一ミリの隙間もない事が容易に想像出来た。
各地を転々として歩いた、お気楽な俺は行った先々でここに定住するにはどうやって生計を立てるかを常に考えるが
修理工か畑作なのか狩猟なのか、
ここ南海道紀伊国には何も思い浮かばないのである。
義務教育が終われば行った先の土になれともう戻る事すら拒んで様に見えるのだ。
吉野では大雨でいつ流されるかわからん川の上で捨てるしかない様な丸太の皮の次にわずかに残る厚さ2~3センチ程度の半丸の端材を集めて小さな機械で割り箸を作っていた。
割って割って割り捨てる事で誰かがやっと生きて行けるのだと
北海道はいかに恵まれているかを思い知った南海道紀伊国
辛子大根うどん