第三話 ちょいと箸休め

 

昨日、7月7日七夕午前中、増毛上空に、珍しくF15、16、17か知らんが戦闘機の機影が見えるより先に、爆音が遙か彼方から聞こえてきた。約1000メーター位の低空で飛んできて、いつもならただ見ているだけだったが、その日はなぜかふと考えた。
もし、この戦闘機が俺を的にしているとしたら・・・、いつも乗る全日空の747の事を思い出した。
千葉の上空から、眼下のゴルフ場がハッキリ見える事を思い出し、この低空なら俺がハッキリ見えているはずだと。的にする気が無くても、パイロットがコックピットのキャノピーを開け、毎度何かをブン投げていくとしたら、俺なら果たしてその飛行コースの下で安心して暮らせるだろうかと、耐えられるかと、その爆音の中で考えた。

そしたら今、イラクはどうなるのだ。
毎度、狙いを定め的にかけ、GPS付きのミサイルが追いかけて来るわ、弾は飛んで来るわ。そんな中で、イラクの子供達は、毎日毎日暮らして居るわけで、どんな心理状況でいるのかと考えた。
日本には三つ子の魂百までもと言う諺があるが、間違えましたと子供が爆撃されたら、たとえ間違いでも深層心理に残るのが当たり前で、大人になってからあれは間違いでしたと謝っても、あとの祭り。 恨まないでと言うのはとんでもないと思う。
キズを見るたびに、欠けた親兄弟の写真を見るたびに思い出し、俺なら必ずセコイ方法でも仕返しをする。こっそり大使館の窓ガラスを割るとか、門にションベンを掛けて逃げるとか、その時に出来る最大の方法でするし、許す事は出来ないと思う。
ブッシュは恨みを持つ者を増やしているだけで、俺が言うのもなんだが、戦争に正義は無いと、通り過ぎる戦闘機の爆音を聞きながら考えた。

ついでに、俺ならそんな物騒な所には、絶対にボランテイアでも仕事でも行かない。イラクに行って人質になった中に、ボランテイアの人がいたが、人質になった人のやり方はどうであれ、救出に国が当たるのはあたり前だと思う。
遊びに行ったヨットでさえ国が救助を無料でするのに、国民の親は国でないのか。親なら、子が困れば助けるのは当たり前だが。いくら親でも当然助けた後にはお小言はあるだろうが。
助けた後に、自己責任だから一部負担とは、費用を下さいとは、そのセコさに呆れたぜ。
自己責任とは、昔から言う通り、痛いのだけは自分持ちと職人同士ではよく言ったもんだった。
自分の子が、かよわいながらも考えて、それも他人の為によかれと思いした事で、ミスをしたから、助けたから、一部を負担してくれとは。
金がないなら仕方ないが、世界の笑いもんだぜまったく。いつから国は、そんなに金銭感覚がシビアになったんだ? セコイ、セコ過ぎる。

ところで、社会保険庁は休憩時間用に、自前のゴルフ練習場を持っているらしい。それも国民から集めた保険料から支払ったらしい。