記憶の貸借対照表

ここに来た最初に建てた格安D型倉庫  幅6間 奥行き8間 一部二階建て

  
浜のカラスが魚を獲って来て屋根の上で食うのでトタンは腐る

  
3年ほど前から屋根の頭頂部のトタンが腐って穴が開き雨漏りもするし後継者もいないので
今月解体撤去した

基本的には捨てるのはいつでも出来る取って置けばいつか使うと言う事でドンドン溜まっていった
捨てると決めてから2年掛かっても片付かない
燃える物、ゴム、プラと分別をするのだが
部品番号のわからない物は捨てる
いまも銭出して買える物は捨てる
と決めて片付け作業がわずかづつ進んでいる
思うのは後継者がいたなら殆どが資産となる物が今や負の資産となって
事業ゴミをすべて処分するのに三桁以上の銭が掛かるナンテコッタ

手作業をする業種で職人と言われる終戦前後生まれは
根性と竹槍があればB29でも落とせると言われて育ちその癖や思考回路で
後継者を育てられないのを身近でいくつも見て来た
ひとの仕事を我慢しじっと見て見守る事が出来ない
たまにじっと見守っているかと思うとあと少しで完成と言う処で堪えきれずに手や口を出してしまう
そりゃ~跡継ぎも出ていきますがな~
後継者だけならまだマシだが嫁にも逃げられるのだ

個人成りしてから後半は見る物乞食で集めた物が山になっていて
片付けを毎日してると写真が出て来るのが一番作業が止まってしまう
なぜか昨日食ったメシは忘れても古い記憶は鮮明に思い出し
いま記憶にも資産と負債がある事を実感している
皆は記憶の負債をどう処理してるのかと思ってしまった。


貸借対照表は左右が合わないのが普通と言ったひとからお酒を貰ってしまった。

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