追いかけて雪国~(完)

      

さらに、飲み物を片手でいつ動くかわからん行列をずうっと見ていると、行列の一団の父さんが話しかけてきた。
ここはその昔、お釈迦様が居たらしいが、ある日突然お釈迦様がどこかに行ってしまった。
お釈迦様といっても誰かが背中に彫ったお釈迦様以外会ったことはないので定かではありませんが、突然どこかに行くなど、お釈迦様といえども実は結構気まぐれかも知れません。

その、気まぐれお釈迦様が逃げたあとに台だけが残ったので、台釈迦村と言っていた。しかしいよいよ戻る気配が!復縁が無いことを村人が悟り始めた時に、それではお釈迦様に逃げられた事になり村の世間体が悪いので、台の字を大に入れ換えて大釈迦村になったと。
行列の父さんが、大釈迦のトップシークレットの語源をこっそり教えてくれた。

俺も嫁さんに逃げられたので、その気持ちよく分かると妙に納得し、村人に親近感を覚えた。
時間があるならこのまま付いていって酒でも飲んでみたいと思ったが、明日、中歌下の新年会があるので、未練は残ったが見送って車に乗った。